月10冊読んでも記憶に残らなかった俺が変えたインプット法
この記事の結論
読書しても内容を忘れる、仕事に使えない——その原因はインプット方法にあった。月10冊読んで何も残らなかった経験から辿り着いた、翌日から使える読書術を体験ベースで語る。
月10冊読んでも、3日後には何も残っていなかった。
これは2年前の俺の話だ。毎月それなりの冊数をこなして、「読書量=成長」だと本気で信じていた。でも会議で使えるアイデアは出てこないし、後輩に何かを教えるとき「あの本に書いてあったんだけどな……」と口ごもる。読んだはずなのに何も残っていない、という焦りがずっとあった。
月10冊読んでいたのに「何も残らない」と気づいた経緯
管理職になる前、副業でWebライターをやっていた頃の話をする。
当時は「インプットを増やせば仕事の質が上がる」と思っていて、ビジネス書・自己啓発・マーケ本を手当たり次第読んでいた。Kindleのライブラリには100冊以上積み上がって、読了マークをつけるのが習慣になっていた。
でもある日、副業のクライアントから「最近読んだ本で面白かったものを教えてください」と聞かれて、タイトルは出てくるのに内容が一切出てこないという事態に陥った。
「読んだはず」なのに何も言えない。その瞬間に「あ、俺の読書は完全に無駄になってる」と気づいた。
調べてみると、問題は明確だった。インプット(読む)だけでアウトプット(使う・話す・書く)をゼロにしていたこと。記憶の定着には「思い出す作業」が必要で、読むだけでは脳にとって「重要な情報」と判断されないらしい。エビングハウスの忘却曲線を持ち出すまでもなく、何もしなければ翌日には7割以上忘れる。
変えてわかった、記憶に残るインプット方法の正体
試行錯誤して今も続けているのは、以下の3ステップだ。シンプルだけど、これをやるとやらないとでは定着率が全然違う。
ステップ1:読みながら「一言メモ」を3つだけ取る
読み終わってからまとめようとすると、絶対にやらない。これは断言できる。
俺がやっているのは、読みながらスマホのメモアプリ(Notionのquick note)に「一言で言うと何だ?」を3つ以内で書くこと。箇条書きで十分。「締め切り効果→あえて時間を短くセット」「人は損失を2倍大きく感じる→値引きより特典の方が刺さる」みたいな感じ。
ポイントは「3つ以内」という制限だ。全部書こうとすると挫折する。3つに絞る過程で、自然と「何が重要か」を考えることになる。これ自体がアウトプットになっている。
ステップ2:読み終わった翌朝、30秒で「昨日読んだやつ」を口に出す
翌朝の通勤中か、コーヒー飲みながら30秒だけ「昨日の本、何だったっけ」と口に出す。声に出すのがポイントで、頭の中で思い出すより定着する感覚がある。
最初は「えーっと……」となるが、それがいい。思い出そうとする行為そのものが記憶を強化する。完璧に再現できなくていい。「なんか損失回避の話があって、マーケに使えそうだった」くらいでOKだ。
ステップ3:週1回、Slackかチームの雑談で「最近読んだ本の話」を1分だけする
これが一番効く。人に話すと決めると、読み方が変わる。
俺は毎週金曜のチームの雑談タイムで「最近読んで使えそうだと思ったやつ」を1分で話すようにした。最初は恥ずかしかったけど、3ヶ月続けたら「あの本の話、試してみました」と後輩から言われるようになって、モチベーションが一気に上がった。
話す相手がいなければ、Twitterに140文字で投稿するだけでもいい。「誰かに見せる前提」で読むと、内容を咀嚼しようとする意識が全然違う。
失敗した方法と、比較してわかったこと
変える前に試してうまくいかなかった方法も正直に書いておく。
読書ノートに丁寧にまとめる → 挫折した
最初は「ちゃんとやろう」とノートに章ごとの要約を書いていた。1冊1〜2時間かかって、3冊で完全に続かなくなった。丁寧すぎる方法は、忙しいときに真っ先に脱落する。
マーカーを引きまくる → 引いた気になって終わる
Kindleのハイライト機能を使いまくっていた時期がある。でも後から見返すことはほぼなかったし、引いた瞬間に「やった感」が出て満足してしまう。マーカーは「思い出す作業」を代替しない。
要約アプリ(flier等)を使う → 読んだ気になるだけ
要約サービス自体は便利だし今も使っている。でも「読んだ本を要約アプリで振り返る」のと「最初から要約だけ読む」は全然違う。後者は自分の言葉になっていないので、会話や仕事でとっさに出てこない。
今の俺の読書ペースは月4〜5冊に落ちた。でも3ヶ月後に「あの本のあの話、使えるな」と思い出せる冊数は、月10冊読んでた頃より圧倒的に多い。
冊数を増やすより、1冊を翌日使える状態にすること。読書の記憶に残らない問題は、インプット量の問題じゃなくてアウトプットの設計の問題だった。これに気づくのに、2年かかった。